新着情報

概日リズム睡眠障害

(神経内科 伊藤 典英)

最近の研究では、ヒトの睡眠・覚醒リズムは生体時計に支配されている事がわかってきてます。生体リズムが大きくずれたままの生活を送ると、日中に眠気や易疲労感を感じたり、夜中に不眠が出現したりします。
概日リズム睡眠障害とは、生体リズムのずれにより生じた睡眠障害をいいます。具体的には下記のような分類があります。

  1. 時差症候群
    5時間以上の時差のある地域をジェット機で急速に移動すると、睡眠・覚醒障害、疲労感、胃腸障害など、さまざまな症状が発現し、それらが消失して到着地の生活に順応するまでに数日を要するというものです。
  2. 交代勤務睡眠障害
    夜勤や変則的な勤務により、通常の睡眠・覚醒時間帯からずれた不規則な労働や昼夜逆転を余儀なくされた生活のため、生体リズムに乱れが生じ、心身の不調をきたすものです。
  3. 睡眠相後退症候群
    入眠はいつも朝方で、しかし一度入眠すると比較的安定した睡眠が得られ、遅い時刻まで目覚めないという睡眠リズムです。睡眠がずれて遅れていますが、これを本人の努力によって早めるのは困難であり、出勤、登校など社会生活上の障害が出現するものです。
  4. 非24時間睡眠・覚醒症候群
    入眠と覚醒の時刻が毎日1~2時間ずつ遅れるものです。周期的に昼夜逆転が起こり、慢性的に心身の不調をきたします。

上記のような睡眠障害、及びそれに伴う心身の不調など心当たりのある方は受診してみてください。
まずは正確な診断が必要です。

このページをSNSでシェアする