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内痔核・直腸粘膜脱に対する先進医療「PPH法」とは
(外科 斉藤 誠)
当院では内痔核・直腸粘膜脱に対する先進医療「PPH法」をおこなっています。
PPH法とは
1993年イタリアで開発された内痔核や直腸粘膜脱に対する新しい手術法です。今までの手術法と異なり、特殊な専用の機械を用いて手術を行います。一番の特徴は術後の痛みが少ない、ということです。従来の方法では手術の傷が肛門の中と皮膚の両方にでき、その傷が術後の痛みの原因となっていましたが、PPH法では手術操作のほとんどが痛覚に影響のない直腸で行われるためです。またでは肛門皮膚に傷ができないため術後の肛門がきれいで、しかも疼痛や出血のために社会復帰が遅れるなどという心配が少なくて済みます。 自動縫合器(ジョンソン&ジョンソン社製)を用いて肛門縁から4~6cmの緩んだ直腸粘膜を全周性に切除し口側に吊り上げ、同時に縫い合わせて脱肛を治療します。痔核そのものは切除されません。
- PPH法のよい点
- 術後の痛み(排便時の痛み)が非常に少ない
- 術後の肛門は「腫れ」が無く、きれいになります
- PPH法の問題点
- 外痔が大きい場合は適応ではありません
- 現在、日本では医療保険の適用ではありません
当院では先進医療「自動吻合器を用いた直腸粘膜脱または内痔核手術(PPH)」を実施することを厚生労働省より認可されています。
先進医療とは?
国が、その治療の有効性や安全性を確認し、認められた医療技術ごとに一定の施設基準を設定しています。それに該当した病院が、特定承認保健医療機関として国から認定を受けて先進医療を行うことができます。
保険適用がない?
国内では、PPH法はまだ医療保険の適用とされていません。そのため先進医療を受けたときの費用を患者さまに自費で負担していただくことになります。当院でPPH法に係わる負担額(手術・麻酔及びそれに関する薬剤など)は125,240円です。それ以外の通常保険で扱われる部分の費用(入院費・食事など)は保険診療として扱われます。
PPH法が適した痔核
内痔核、特に脱肛を伴うものが最もよい適応になります。「痔」とよばれている疾患には「いぼ痔」「切れ痔」「痔ろう」などいろいろありますが、「いぼ痔」のうち肛門の内側にできるものを内痔核といいます。脱肛は、排便の時や長く歩いた時などに、肛門からいぼが飛び出す状態です。すべての痔核が対象とはなりません。
詳しくは当院外科外来までお問い合わせください。